第1回 「パブリックコメント」

「パブリックコメント」(パブコメ)とは、国や地方自治体などの公的機関が、新しい規制を行ったり既存の規制を改廃したりするにあたって、事前にその案を公表して国民からの意見を募る手続きのことをいう。

政府の説明によると、「行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てる」ことを目的としている。

行政機関は、パブコメの結果を受けて政省令や告示、通知通達などに関する意思決定を行う。意見の提出期間は、原則として案の公示日から30日以上とされている。ただし、「やむを得ない理由があるとき」は期間の短縮やパブコメ自体を行わないこともできる。


かつてわが国では、1999年に閣議決定された「規制の設定又は改廃に係る意見提出手続」に基づき行われていた。その後、2005年の行政手続法改正により法律上の手続きとして位置付けられ、全省庁の行政行為に対して適用されるようになった。

その背景には、日本の行政や市場の閉鎖性に辟易していた米国による、再三の規制改革要望があったといわれている。いずれにしても、この手続きが導入されるまでは重要な規制に関する情報がほぼ非公開だったことを考えれば、事前に知ることができるようになっただけでも大きな進歩である。

それでも、パブコメの結果を施策に反映するか否かは行政機関や審議会などが決めるだけに、実効性に疑問をもつ向きは多い。また、あくまで行政が行う政省令以下の制定改廃が対象であり、国会で議論が行われる法律についてパブコメが行われることはほとんどない。