「民法大改正」はスタートラインにつけるか

歴史的な大改正を前に、スタートラインにも立てない状況が続く民法。いつ審議入りするかは五里霧中である。

 

2015年の第189回通常国会は、会期が95日延長されて9月27日までとなった。与党最大の目的は安保法制の成立であろうが、開会前に話題となったのはむしろ民法改正の方だった。


明治29年に制定されてから約120年ぶりの大改正というだけでニュース価値は高いが、アパートの敷金返還を家主に義務づけるなど、暮らしに直接かかわる内容だけに市民の関心も低くはなかった。債権分野を中心に、約款に関する規定の新設や法定利率の見直し、消滅時効の統合など、重要な改正ポイントがいくつも盛り込まれている。


しかし、延長後の会期245日のうち3分の2を過ぎるというのに、法案は受理されたものの法務委員会への付託は行われていない。同委員会は刑事訴訟法等の改正に関する審議で忙しく、お盆と9月の連休の間は休会のため、審議入りしても先行きの見通しは立たないのではないか。

 

残り約80日の会期中に改正の道筋をつけられなければ、継続審議か、審議未了で廃案かのいずれかとなる。長きにわたる法制審議会での議論を踏まえた、市民生活や経済活動に直結する改正だけに、議論を尽くさぬまま土壇場で成立させるような体たらくはやめてほしい。

(槐)


法制審議会 - 民法(債権関係)部会