TPPを「パンドラの箱」にしないために

TPP参加国
TPP参加国(政府資料より)

環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉が、年内合意に向けて進められているらしい。「らしい」というのは進捗状況が伝わってこないためで、メリット・デメリットや国内法への影響も見えない。ギリシャ神話の「パンドラの箱」が頭をよぎる。

 

TPPに関しては、12カ国が参加していることや、日本と米国などの間で農産品や自動車などに関する協議が行われていることは報道されている。しかし、その交渉分野が図表のように21もあり、国民生活と産業に広い範囲で影響を及ぼすことはきちんと知らない人が多いようである。

TPP交渉分野
TPP交渉で扱われる分野一覧(政府資料より)

特に国内法への影響については、法律や関連する政省令の制定改廃が相次ぐことが予想される。思いつくだけでも、関税法、外為法、金商法、投信法、農地法、労基法、医療法、保険業法、特許法や商標法などの産業財産権法、JAS法、消費者安全法などなど。環境や公害防止関連の制度も改正の候補になる。


関税撤廃が原則なので規制緩和が中心になるのであろうが、交渉の着地点が見えないため、どの法令がどう変わるかはわからない。国会でも満足な議論ができていない中、議員には進捗状況をまとめた文書が配られたという話もある。TPPというパンドラの箱が合意を受けて開けられた時、神話の通り災厄が解き放たれるのか。せめて「希望」だけは残せるように、立法府は今からでも国内法に及ぼす影響を検証して、国民にわかりやすく説明すべきであろう。

(槐)

TPP政府対策本部

環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉(外務省)