廃案へのカウントダウンが始まった民法改正案

約120年ぶりの変革を前に、今国会での成立が風前の灯となった感のある民法改正法案。残りの会期をカレンダーで確認しながら、民法よりも古い現行法規があるという話を思い出した。

 

民法は明治29年(1896年)に制定されたが、それよりも古い現行法規はいくつかある。当時の太政官が発した「布告」や「達」という形式の法令である。このうち、「改暦ノ布告」は明治5年に公布された。現代の私たちが使っているカレンダーはこの時に導入されたグレゴリオ暦によるもので、最古の現行法規とみて間違いない。


このほかにも、「絞罪器械図式」(明治6年)や「爆発物取締罰則」(明治17年)などの法規は、今でも法令データ提供システムで検索することができる。いずれもカタカナ表記の古めかしい条文であるが、民法も平成16年にひらがな化されるまでは同様の読みづらさであった。文語体ではあまりに分かりにくいという理由で、口語体に改められたのである。

 

法律は安定を求めるが、それは停滞を意味するものではない。「『民法大改正』はスタートラインにつけるか」で書いたように、本国会での改正案には時代の変化を受けた必須と思われるものが多く含まれている。通常国会の会期は現代の暦にして残り2枚を切った。廃案になれば一からやり直しになってしまうので、タイムリミットを迎える前に、せめて継続審議に望みをつなげてもらいたい。