不法投棄通報者への報奨金は制度化すべきか

8月25日付けのインターネット版神戸新聞によると、兵庫県小野市が、不法投棄を発見し通報した市民への報奨金支給を盛り込んだ条例を制定することを決めたらしい。悪い取り組みとは言わないが、制度化することについては違和感がある。

 

同様の制度は、同じ兵庫県の猪名川町が2004年に「猪名川町不法投棄防止条例」としてすでに導入している。同町のホームページによると、第6条第2項で「町長は、提供を受けた情報が不法投棄防止に著しい効果があった場合には、規則に定めるところにより報償を出すことができる。」とあり、施行規則を見たら「1万円以下相当」と書いてあった。

 

新潟県は「新潟市産業廃棄物の不法投棄等の通報制度に関する要綱」で、通報1件につき1万円の報奨金を支払う旨を定めている。福岡市も「1万円相当の商品券」を提供する制度をホームページで広報しているが、根拠となる条例や要綱は見当たらない。 

先の報道によれば、小野市は最大2万円に設定するようである。市長は市議会で10万円渡してもよいと答弁していたが、それはさすがに多いということになったのであろう。


額の多寡は置いておくとして、このような報奨金制度が不法投棄の撲滅にどれだけ効果があるかについては疑問が残る。どの自治体も廃棄物の投棄者が判明することなどを支払いの条件としているが、不法投棄対策の難しさはまさに誰が捨てたかわからないところにあるためだ。


それでも、猪名川町の場合は不法投棄された廃棄物に関する情報提供に対しても「2分の1相当」の報奨金が出る。実際にどれだけの通報があるのか同町議会の記録を検索してみたら、2007年度でわずか2件であった。


通報制度自体は他の分野でも運用されており、このような取り組みを十把一絡げにして監視・密告社会化の端緒と断ずるつもりはない。それでも私たちの人権に深くかかわる問題であるだけに、目に見える効果が期待できないのであれば、地方自治体が報奨金を条例により制度化する際には、熟慮と議論が必要ではないか。